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二十四節気「処暑(しょしょ)」と七十二候
「綿柎開(わたのはなしべひらく)」
「天地始粛(てんちはじめてさむし)」
「禾乃登(こくものすなわちみのる)」
についてまとめています。
暦の上では秋を迎え、厳しい暑さも少しずつ落ち着いてくるころ。
とはいえ、日中はまだまだ夏のような暑さが続く日もあります。
旬の食べ物やハーブ・アロマ、季節に応じたお片付けなど、夏の名残を楽しみながら秋を迎えるための暮らしのヒントをご紹介します。
▼処暑の一つ前、「立秋」の記事はこちら

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処暑とは?2026年の処暑はいつ?

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きをもとに1年を24に分けた、季節の移り変わりを示す暦です。
処暑は二十四節気の14番目にあたり、例年8月23日ごろから9月7日ごろまで。
立秋の次に訪れます。
2026年の処暑は、8月23日(日)から9月6日(日)です。
2026年は8月23日11時19分に太陽黄経が150度となり、処暑を迎えます。
(国立天文台「暦要項」より)
1787年出版の「こよみ便覧」には、処暑について「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」と記されています。
「処暑」の「処」には、落ち着く、とどまるといった意味があります。
つまり処暑は、厳しかった夏の暑さが次第におさまっていくころ。
……と言われても、「いやいや、8月下旬も普通に暑いんですけど!?」となりがちな時期ですよね。
立秋を経て処暑を迎えたからといって、急に涼しくなるわけではありません。
それでも、朝晩の風が少し涼しく感じられたり、日が暮れる時間が早くなったり、セミの声に混じって秋の虫の声が聞こえ始めたり。
夏の真ん中だった立秋のころに比べると、少しずつ「夏の終わり」が感じられるようになってきます。
スーパーには秋の果物が並び始め、田んぼの稲穂もだんだん重たそうに頭を垂れてきます。
まだ暑さ対策は続けながらも、夏を少しずつ片づけて、秋を迎える準備を始める。
そんな季節の境目が、処暑なのかもしれません。
2026年処暑の七十二候
七十二候(しちじゅうにこう)は、二十四節気をそれぞれ3つに分け、約5日ごとの自然の変化を表した暦です。
処暑の七十二候は、
初候「綿柎開(わたのはなしべひらく)」
次候「天地始粛(てんちはじめてさむし)」
末候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」
となっています。
綿柎開|綿を包む萼(がく)が開き始めるころ

処暑の初候は「綿柎開」。
読みは「わたのはなしべひらく」で、例年8月23日ごろから8月27日ごろにあたります。
2026年の「綿柎開」は8月23日(日)から8月27日(木)ごろです。
「柎(はなしべ)」とは、綿の実を包んでいる萼(がく)のこと。
夏に花を咲かせた綿は、花が終わると緑色の実をつけます。
その実が熟してはじけ、中からふわふわとした白い綿が姿を現し始めるころを表した七十二候です。
私たちが普段着ているTシャツやタオル、寝具などにも使われているコットン。
毎日の暮らしではあまりにも身近な素材ですが、植物からこんなふうに生まれてくると思うと、ちょっと不思議ですよね。
植物としての綿を見る機会は少ないかもしれませんが、最近では園芸用として育てられることもあります。
ふわふわの綿がついた枝は、秋から冬のドライフラワーとして飾ってもかわいいもの。
夏の花とは少し違った、秋らしい植物に目を向け始めるのにもぴったりのころです。
天地始粛|ようやく暑さが落ち着き始めるころ

処暑の次候は「天地始粛」。
読みは「てんちはじめてさむし」で、例年8月28日から9月1日ごろにあたります。
2026年の「天地始粛」は8月28日(金)から9月1日(火)ごろです。
「粛」には、静まる、引き締まるといった意味があります。
天地を満たしていた夏の暑さが少しずつ静まり、秋らしい空気へ変わっていくころです。
日中はまだ30℃を超えるような日があっても、朝晩の風や空の色には少しずつ変化が感じられるようになります。
夕方、外に出たときに「あれ?今日はちょっと風が涼しいかも」と感じる日も増えてくるかもしれません。
一方、この時期は台風や大雨にも注意したいころ。
7月から10月にかけては、日本に台風が接近・上陸することが多い時期とされています。
また2026年9月1日は、立春から数えて210日目にあたる雑節「二百十日」。
昔から農作物が風雨の被害を受けやすい時期として警戒されてきました。
9月1日は「防災の日」でもあります。
季節を楽しむだけでなく、天気予報を確認したり、防災用品や避難場所を家族で確認したり。
秋を迎える準備のひとつとして、防災について考えてみるのもよさそうです。
禾乃登|田んぼの稲が実るころ

処暑の末候は「禾乃登」。
読みは「こくものすなわちみのる」で、例年9月2日から9月7日ごろにあたります。
2026年の「禾乃登」は9月2日(水)から9月6日(日)ごろです。
「禾(のぎ)」とは、稲や麦、粟(あわ)などの穀物を表す言葉。
田んぼでは稲穂が実り、少しずつ黄金色に変わっていくころです。
夏の間、青々としていた田んぼも、気がつけばずいぶん景色が変わっています。
お米は一年中当たり前のように食べていますが、秋は新米の季節。
毎日の食卓に並ぶごはんも、田植えから収穫まで長い時間をかけて育てられたものだと思うと、いつもとは少し違って見えるかもしれません。
実りの秋は、もうすぐそこ。
「禾乃登」が終わると、次の二十四節気は「白露」です。
朝晩の空気はさらに涼しくなり、草花には朝露が見られるようになるなど、季節は本格的な秋へ進んでいきます。
処暑におすすめの食べ物と薬膳の考え方
処暑のころは、日中にはまだ厳しい暑さが残る一方、朝晩には少しずつ秋らしい空気が感じられるようになります。
夏の間に冷たい飲み物や食べ物をたくさんとったり、暑さで食欲が落ちたりして、そろそろ疲れを感じるころでもあります。
また秋は、少しずつ空気の乾燥が気になり始める季節。
薬膳では、その日の気候や体調を見ながら、夏の暑さを引きずりすぎず、秋の乾燥にも備えていくことを意識します。
今回は、夏の終わりから秋にかけておいしくなる
- すだち
- ぶどう
- いちじく
をご紹介します。
※ここで紹介する薬膳の考え方は、伝統的な食養生に基づくものです。
特定の症状の治療や予防を目的としたものではありません。
すだち|残暑の食卓を爽やかにする香り

すだちは、8月から9月ごろに旬を迎える香酸柑橘。
小さな実の中には爽やかな香りと酸味がぎゅっと詰まっていて、まだ暑さの残る処暑の食卓にもぴったり。
薬膳では「平性」、五味は「甘・酸」とされ、気を巡らせたり、肺をうるおしたりする食材として用いられます。
すだちは、豚肉やイワシなどの料理とも相性がよく、キュッと絞るだけで後味をさっぱりと仕上げてくれます。
ビタミンCやクエン酸を含むので、夏の疲れが残るこの時期にも嬉しい食材ですね。
暑い日には、そうめんの上にすだちの輪切りをたっぷり浮かべたすだちそうめんもおすすめ。
そして秋の定番・焼きサンマにすだちを添える組み合わせは、処暑から秋へ向かう食卓にもよく似合います。
夏の料理を爽やかに楽しみながら、少しずつ秋の味覚へ。
すだちは、そんな季節の橋渡しをしてくれる食材です。
ぶどう|夏の疲れが残るころにうれしい秋の果物

夏の終わりから秋にかけて、さまざまな品種が店頭に並ぶぶどう。
旬は8月から10月ごろで、デラウェア、巨峰、ピオーネ、シャインマスカットなど、品種によって味や香り、食感が大きく違うのも楽しい果物です。
薬膳では「平性」、五味はすだちと同じ「甘・酸」に分類され、水分の代謝を整える食材として、のどの渇きやむくみが気になるときなどに用いられます。
ぶどうの主な糖質であるブドウ糖は、体内でエネルギーとして利用されやすいため、夏の疲れが残る処暑のころのおやつにもぴったり。
また、巨峰やピオーネなど黒や紫色のぶどうの皮には、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種、アントシアニンやタンニンが含まれています。
冷蔵庫で冷やしてそのまま食べるだけでもおいしいぶどう。
夏の果物から秋の果物へと売り場が移り変わっていく処暑のころ、好みの品種を食べ比べてみるのも楽しいですね。
いちじく|短い旬を楽しみたい秋の果物

夏の終わりから秋にかけて旬を迎える、いちじく。
漢字では「無花果」と書きます。
一見すると花が咲かずに実ができるように見えるため、この字が当てられていますが、実際には私たちが食べている実の内側に、小さな花がたくさん咲いています。
薬膳では「平性」、五味は「甘」。
体をうるおす食材とされ、空気の乾燥が少しずつ気になり始める秋にも取り入れやすい果物です。
また、いちじくには食物繊維が豊富に含まれているため、おなかの調子を整えたいときにもおすすめ。
薬膳では、体にこもった余分な熱を冷ましたり、のどの乾燥や声がれ、空咳などが気になるときにも用いられてきました。
やわらかな果肉とプチプチした食感、やさしい甘さもいちじくならでは。
そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトに添えたり、生ハムと合わせたり、ジャムにしたりと、さまざまな楽しみ方ができます。
旬の短いいちじくを味わいながら、少しずつ深まっていく秋を楽しみたいですね。
処暑におすすめのハーブとアロマ
処暑は、まだ夏の暑さが残りながらも、朝晩の風や日暮れの早さに少しずつ秋の気配を感じ始めるころ。
この時期は、夏に元気よく育ったハーブを最後まで楽しんだり、暑さで疲れた気分をすっきり整える香りを取り入れたりするのがおすすめです。
今回は、たっぷり育った葉を料理に使って夏の名残を楽しめるバジルと、森林を思わせる落ち着いた香りのサイプレスをご紹介します。
夏を惜しみながら、少しずつ秋へ。
ハーブと香りから、処暑らしい季節の移り変わりを楽しんでみましょう。
バジル|夏の名残を楽しむ爽やかなハーブ

バジルは、夏に元気よく育つ代表的なハーブのひとつ。
爽やかで少し甘みのある香りが特徴で、トマトやチーズ、オリーブオイルなどとも相性がよく、パスタやサラダ、ピザなどさまざまな料理に使われています。
処暑のころは、暦の上では秋に入りながらも、まだ夏の暑さが残る時期。
春から夏にかけて育ててきたバジルも、まだまだ元気に葉を広げているころです。
摘みたての葉は香りがよく、そのまま料理に添えるだけでも食卓がぐっと爽やかになります。
わが家でもバジルを育てていますが、元気に育つと次々に葉が増えて、「こんなにどうやって使おう?」となることも。
そんなときはジェノベーゼソースやサラダ、ハーブバターなど、たっぷり使える料理にして楽しむのがおすすめです。
夏に育てたハーブを最後まで楽しみながら、少しずつ秋の食卓へ。
処暑には、そんな「夏じまい」の楽しみ方もよさそうです。
サイプレス|夏の疲れをすっきり整える森林の香り

サイプレスは、ヒノキと同じヒノキ科の樹木から採れる精油です。
森林を思わせるすっきりとした香りで、リラックスしたいときや、イライラして気持ちを落ち着けたいときにおすすめ。
甘さが控えめなので男性にも好まれやすく、家族で使いやすい香りです。
体液の調整が得意とされていて、アロマテラピーでは、老廃物の排出やむくみ、汗が気になるときのケアにも用いられます。
アロマストーンに垂らして香りを楽しむほか、サイプレス精油1〜3滴を使った足浴もおすすめ。
まだ暑さの残る処暑の夜に、森林のような香りでゆっくりリラックスしてみてはいかがでしょうか。
※精油は医薬品ではありません。
ここでは香りそのものを楽しむ芳香浴としてご紹介しています。
使用時は各商品の注意事項をご確認ください。
処暑のお片付けは「防災用品の見直し」がおすすめ!

処暑のころは、台風や大雨が気になる時期。
さらに、処暑の期間は8月30日〜9月5日の「防災週間」とも重なります。
9月1日は「防災の日」でもあるため、この機会に防災用品を見直してみるのはいかがでしょうか。
防災用品は、一度そろえたら終わりではありません。
食品や飲料水には賞味期限がありますし、乾電池やモバイルバッテリーなども、いざというときに使える状態か確認しておきたいところ。
わが家では、まず防災バッグや備蓄品を一度出して、
- 水や非常食の賞味期限
- 懐中電灯やラジオがきちんと使えるか
- 乾電池のストック
- モバイルバッテリーの充電状態
- 非常用トイレの数
- 家族の人数や年齢に合った内容になっているか
などを確認します。
子どもが成長したり、家族の生活スタイルが変わったりすると、以前用意したものが今の暮らしに合わなくなっていることもあります。
「入っているから大丈夫」ではなく、今のわが家に必要なものが入っているかを見直すことが大切ですね。
また、防災用品を全部一からそろえるのは、意外と大変。
何を入れればいいか迷う場合は、必要なものがある程度まとまった防災バッグのセットをベースにして、家族に必要なものを足していく方法もあります。
防災用品を確認したら、あわせて避難場所や家族との連絡方法も確認しておくと安心です。
まだ暑さの残る処暑。
秋の準備を少しずつ始めるこの時期に、暮らしを整えるひとつとして、防災についても見直してみましょう。

